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嫉妬

matuyuki
先日放送された映画「容疑者Xの献身」を観ています。
福山雅治さん演じる天才物理学者・湯川学。
ガリレオの異名を持つ彼が超人的な推理を見せる推理サスペンスの映画版です。
原作は東野圭吾先生で2003年から文芸誌オール讀物に連載され、2005年8月に文藝春秋より出版されたガリレオシリーズ第3弾になります。
僕は、この小説版を読んで物語の展開を知っているので、映画版の「容疑者Xの献身」はリアルタイムで観ておらず、今回初めて拝見したのですが、なるほど面白い映画です。
ちなみに、柴咲コウさん演じる内海薫刑事は、彼女は物語に華を添えるべく小説版では途中から出てきた登場人物で、小説でのガリレオ先生のパートナーと呼べるべき人物は北村一輝さんが演じていた草薙俊平刑事です。
また、原作者の東野圭吾先生は湯川学は、元々佐野史郎さんをイメージして創造した人物でしたが、ドラマ化に当たって福山雅治さんをイメージするようになったとコメントされていました。
そんな訳で、映画と小説ではかなり差があるのですが、ストーリーや結末を知りながら映画を観ても、なかなか楽しめましたネ。
監察医・城ノ内 桜子役の真矢 みきさんや、ガリレオではお馴染みのキャラクターもしっかり登場していましたし、ゲストで女子アナの八木 亜希子さんが本人役で出演されていたり、リリー・フランキーさんや石坂 浩二さんが特別出演されていたのも面白かったです。
ですが、なんと言っても素晴らしかったのはガリレオ先生を苦悩させる天才数学者・石神 哲哉を演じた堤 真一さん。
そして、美しき犯人・花岡 靖子を演じた松雪 泰子さんでしょう。
特に松雪 泰子さんは儚げで憂いを帯びた悲劇のヒロインを、実に精密に演じておりました。
松雪 泰子さん、この「容疑者Xの献身」と同じ時期に「デトロイト・メタルシティ」に出演されており、こちらとはまったく違った登場人物を演じた事もあって日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞されています。
もっとも「デトロイト・メタルシティ」の社長役でのキャラクターが余りにも過激な ため、松雪 泰子さん御本人この作品について語ることをあまり好んでいないようですが。
傑作、名作と呼ばれる作品のは、必ずと言って良いほど批判の対象となっており、この「容疑者Xの献身」も例外ではなく、2005年末には「容疑者Xの献身」が「本格ミステリ・ベスト10」にて1位を獲得したことに、推理作家の二階堂黎人先生が自身のウェブサイトで疑問を呈しました。
二階堂 黎人先生の主張は、「この作品は作者が推理の手がかりを意図的に伏せて書いており、本格推理小説としての条件を完全には満たしていない、そのため、「本格ミステリ・ベスト10」の1位にふさわしくない」というものでした。
このことに関して主に「ミステリマガジン」誌上に多くの作家や評論家が意見を寄せたため、かなり本格的な論争となりましたネ。
最終的には笠井潔先生などの有力者の多くが「『容疑者Xの献身』は本格である」という立場につき、さらには2006年5月に同作品が第6回本格ミステリ大賞を受賞したこともあり、現在では二階堂黎人先生の意見は否定された形で議論が収束しています。
もっとも笠井潔先生は「容疑者Xの献身」を「標準的な出来栄えの初心者向け本格」とした上で「探偵小説の精神的核心が無い」と批評し、ミステリ関係者が絶賛したことに手厳しい批判を向けています。
さらには原作者である東野圭吾先生本人は、一貫して「本格であるか否かは、読者一人一人が判断することである」というスタンスを取っています。
僕は、単なる好奇心でこの論争を傍観していましたが、少なからず二階堂黎人先生の嫉妬を感じましたネ。
嫉妬は「七つの大罪」にも数えられている人間の罪の一つです。
「七つの大罪」とは傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲の七つ。
つまり、嫉妬は神様も認めている大きな罪なのです。
推理作家で先生と呼ばれる人が犯す罪としては、少々愚かしい事ではないでしょうか?
世の中、この嫉妬と言う罪が溢れているように思えてなりません。
名声に対する妬み。
権力に対する嫉妬。
金持ちに対する憧れの裏返し。
それは罪な事なのではないでしょうか。
嫉妬と言う罪は、増殖し、どこかで世の中を狂わせているような気がしてなりません。
なにより「容疑者Xの献身」のような名作が、嫉妬と言う個人的な感情で否定されたのが、僕には残念なのです。
東野圭吾先生は「作品の評価は読者一人一人が判断することである」と語っておられます。
これは真実です。
作品を批評するのは個人の自由ですが、そこに嫉妬と言う感情が絡むと、厳しい批評には醜さが表れてきます。
人間は罪を犯す生き物で、嫉妬しない人間は存在しません。
しかし、人間は罪を犯すまい、と自制しながら生きていく美しさも持っています。
嫉妬するまい、と自制しながら生きていく美しさが、新しい一年には必要なのではないでしょうか。
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